子どももおとなも共に育ち合うコミュニティーをめざして

黒澤 英典

 手もとにある「子ども会・シルバー会」に関わるファイルを見ると、1996年5月19日に「子ども会とシルバー会」の最初の部会が開かれている。
この部会の創設は、当時の白岡ニュータウン自治会の河村修司会長の強い熱意で《花と緑の子ども・おとしよりに優しい街づくり》をモットーにして、 この会が発足した。
第1回の部会では、既に創設されていた《シルバー友の会》創立の経緯とその後の活動状況が報告された。『新白岡シルバー友の会の会則』第2条には 「会員相互の親睦を図るとともに、地域社会の発展と、老人福祉の増進に寄与することを目的とする。」を掲げ、積極的な活動を始めていた。
公開講座では白井慎法政大学名誉教授に『転換期社会における高齢者の生きがいを求めて』( 於・白岡高校視聴覚教室) を1996年7月に実施、 また街の美化運動の一環として白岡高校生との合同の活動などを実施していた。
その後、悠友会と改称し今日に至っている。
 さて子ども部の創設にあたっては、PTAとの組織上の関係、子どもの置かれている状況等幾多の課題を検討した結果、『白岡ニュータウン子ども 育成会』として、地域で子ども達が安全で安心して健やかに成長・発達することができるようにするため、物心両面の援助協力をすることを目的として 創設された。
子ども達の地域活動として、夏祭りの子どもおみこしやお楽しみ会など実施した。
 この街は、ここに住む人達みんなが協力しあって、《挨拶と花と緑の明るいニュータウン》をモットーにして、子ども達にとっては心の故郷として、 シルバーの方々にとっては悠友会の新井会長の挨拶にもあるように、住民相互のふれあいを深め、地域社会に貢献することをめざしている。
私は、これまで青少年育成調査等に関わってきた経験から、世代間交流、ボランティア活動、あいさつ運動、子ども会活動など、概して、子どもを単 なる対象ではなく、責任ある主人公として位置付けている場合に、よりよい成果が得られるように思われる。
換言すれば、子どもがただそこに安心して「居る」だけの場所づくりの場合よりも、子ども達が「必要とされる」場が作られている場合の方が、効果が 上がっている。
 かつてシルバーを対象とした「生きがい」調査で、人は家庭・地域・職場・仲間集団などの場で、他人から必要とされていると感じた時に、生きがい・ 充実感が高くなるということを確認した。
こうした結果を踏まえて、私はかねがね《人は必要とされることを必要とする》ということを折に触れて強調しているが、これは子どもとて同様である。
単なる《居場所》ではなく、《要(イ)場所》をつくることが重要ではないだろうか。
5年ほど前、練馬区地域教育力・体験活動推進協議会で『未来へ!・・ふるさとねりま~ 共に育つ《要(イ)場所づくり》のすすめ』という答申を出した。
『自治会だより』(新春号)の田端会長の挨拶で「子どもは地域の宝であり、未来からの使者です。これからも皆で子どもを励まし、健やかな成長を手助 けしていきたい・・今、私達一人一人が、この地域で何ができるか。どれだけ行動できるか。・・」と、子どももおとなも共に健やかに育ち合う、それ ぞれの《要(イ)場所》づくりのできるコミュニティーをめざしたい。

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