ボリビア(ウユニ塩湖) ~私の渡航記~

2丁目 H・M

 皆さん、突然ですが「ボリビア」という国をご存じでしょうか?私はこの数年、仕事でボリビアのウユニ塩湖を頻繁に訪れており、 みなさまに是非ご紹介したいと思います。
 ボリビアは、南米大陸の真ん中左寄りにある内陸の国で、西側はアンデスの山々に囲まれた標高4,000m近い高原になっています。
高原の南半分は乾燥地帯、山にはサボテンしか生えず、窪地は湖が干上がって塩が残った「塩湖」になっています。
中でも最大の「ウユニ塩湖」は、テレビ番組での紹介がきっかけで知られるようになり、今では日本からも多くの観光客が訪れます。
ボリビアへは、成田から北米経由で飛行機を二回乗り換え、待ち時間を入れて30時間以上掛けて、首都のラパスに到着します。
ウユニ塩湖は、ラパスから南へ更に約500km、チリとの国境に近いウユニ市にあります。かつては四輪駆動車で未舗装の道を丸一日掛けて 移動しなければなりませんでしたが、2年前にウユニ市の飛行場に旅客ターミナルが出来たおかげで、ラパスから1時間弱のフライトで 到着することができます。
 ウユニ市は、樹一本生えていない平原にぼつんと浮かんだ「絶海の孤島」のような街です。
ところでボリビアは南半球の国、季節は日本とは逆です。6月~8月の冬は、ウユニ塩湖では乾季となり、ほぼ毎日快晴で、雨や雪は降りません。 月が無ければ毎晩満点の星が頭上に覆い被さります。天の川は、まるで白い煙がたなびいているかのようです。
一方、12月~3月の夏は、日中の気温は20度以上になり、空気が乾燥しているので汗は出ず、爽やかです。この時期、ウユニ塩湖周辺では年に 唯一の「雨季」でもあります。塩湖上で雷雨に見舞われたり、山に降った雨で増水し、塩湖が覆われたりします。
周辺の山に雪が降るのは冬ではなくこの時期です。遠望する山々が白く雪化粧しているのは、夏の風景なのです。
 ボリビアの高原地帯は、乾燥と紫外線のせいか、蚊や蝿はほとんど居ません。生ものも日本より長く保存できます。
当然ながらすぐ日焼けしますし、乾燥で唇がバリバリになったり、手足にあかぎれが出来たりします。
ボリビアの高原地帯を訪れる際に一番の問題は、標高の高さで、標高4,000mでは、ちょっと階段を上っただけでも心臓がドキドキ、 息切れ状態になります。
平地に住む人が飛行機でボリビアの高原地帯に降り立つと、頭痛や不眠の症状に襲われます。いわゆる「高山病」です。予防薬はありますが、 症状が出たら酸素を吸うと楽になります。 高山病の症状は様々で、自分が高地に強いか弱いかは、実際に行ってみないと判らないようです。
現地でよく目にするのは、カップルの旅行者で、男性がぐつたり、女性は元気というケースが多い気がします。なぜでしょう? 普通は数日で高度に順応して症状が消えます。  ウユニ塩湖は幅・長さ100km以上、四国の半分近い面積が一面塩で覆われた「世界最大の平坦地」です。
 塩原には、周囲の集落を結ぶ「道路」があります。道路と言っても、白い塩の地面にタイヤの跡がうっすら見えるだけですが、このルートを、 乗合バスや土地の人の車は平気で走ります。 更にはツアー客を乗せた観光業者の四輪駆動車も走っています。夜の塩湖は方向感覚が無くなってしまうため、地元の人は近づきません。 塩湖から戻らず、翌日いくら探して見つからなかった車が何台かあると聞きました。
普段は乾燥して干上がる塩湖も、2~4月の雨期には水が溜まり、冠水してしまいます。
「天空の鏡」とは、冠水した水が鏡のように空を反射してできる現象のことを言い、塩湖の水が干上がる寸前で、晴れて風がない、 という条件でないと見ることができません。
日本のツアーガイドは50回以上訪れても2回しか「鏡」に遭遇していない人もいるそうです。
次にウユニの「塩せんべい」、水が干上がった後、至る所に敷き詰められる塩せんべいは、水面にできた小さな塩の結晶です。 風でくるくる回りながら、お互いに円盤状(せんべい状)となる現象のことです。
 年に数回訪れる塩湖は、珍しい風景で、非常に興味深い場所のひとつです。
新白岡に戻ると、逆にボリビアにはあり得ない素晴らしい緑の風景や生活があり、いつも心が癒されるのです。

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