NASAからこんにちは

廣瀬 史子 平成30年1月

白岡ニュータウンの皆さま、明けましておめでとうございます。
私は今、宇宙航空研究開発機構(JAXA) の長期派遣研修生としてアメリカのNASAに1年間滞在し研究しています。
JAXAには長期派遣研修制度というものがあり、毎年数名の職員が各々開拓してきた受入れ先で研修します。
NASAと調整すること約1年半。ようやく実現しました。
NASAは職員数も予算もJAXAの約10倍の組織です。

私は、NASAはJAXAを巨大にしただけと想像していましたが、大きく異なりました。
NASAのスピード感は凄いです。技術的検討を進めるスピード、間違いを正すスピードは日本の数倍と感じます(但し、事務的 検討は日本より遅し)。
私は現在NASAが検討中の木星ミッションの軌道設計を担当しているのですが(いつ打上げていつ惑星に到着するか、到着時は 地球と交信出来る事などの制約を満たす軌道を提案します)、NASAでは一つひとつのミッション検討をまずは数か月で完了させます。 数か月集中的に検討して次のミッション検討に移る。
そして大量のミッション候補から多面的にベストなものを選定し、実際に宇宙に行くプロジェクトにします。
一方、日本では最初から有力候補を複数に絞り、時間をかけて丁寧に検討します。
どちらの手法が良いか甲乙つけがたいところです。
しかし低予算で効果の高いミッションを実現するJAXAの効率の良さはNASAの同僚は非常に高く評価してくれており、 そのお陰で今回の滞在が実現しました。
NASAの凄さを実感しながら日本の誇りを胸に、今年も気を引き締めて邁進したいと思います。
廣瀬史子の記念講演
5月2 0日(日)自治会創立3 0周年式典で「新白岡から宇宙へ~ 私のふるさと白岡ニュータウン~ 」と題して記念講演を予定しています。
篠津中学校ご卒業、かつてご一家はニュータウンにお住まいでした。
JAXAでは金星探査機「あかつき」の軌道投入に挑戦、数万通りという計算で見事成功に導いたことでもお馴染みです。
昨年、荻野吟子賞(嘉永4年熊谷生れ、日本初の女性医師) を受賞されました。
アメリカでの研修も春には終了予定です。
是非、記念式典にご出席いただき、廣瀬史子さんのお話にご期待ください!

コメント

タイトルとURLをコピーしました