新田耕地の天王様(7月20日)

3丁目  浅井 嘉一

 天王様「牛頭(ごず)天王」インドでは祇園精舎の守護神、わが国では疫病除けで有名。
京都の祇園祭りも牛頭天王を祀り、疫病を鎮め退散させる年中行事で知られています。
新田の天王社、白岡駅から西郵便局方向、八幡神社に向かう途中、右側に鎮座します。
毎年7月、地区の集会所で参加者が装束を整え、全員で天王社に参拝してスタートです、触れ太鼓、獅子舞、天狗に続き、 御神酒、お札を配り、終日、地域をくまなくめぐります。
天狗は天宝4年、獅子は翌年作られました、当時この一帯は戸数わずか21戸とのこと、“新田”の意味が偲ばれ、時代の流れ、 変化の大きさを感じてしまいました。
天狗は赤い面、長い鼻、宝珠を頭に槍を持ちます、槍を頭にかざして疫病を払います。
祭りの特徴は、訪問家庭に土足のまま掛けあがって行う厄除け、厄病退治の行事です。
荒行事、現在の家庭事情などから年々難しく、受け入れ家庭の減少が悩みのようです、医師不足、医療未発達、夏を乗り越える為、 当時の生活の知恵だったかも知れません。
ことしも30人余りの子どモたちが参加、獅子頭中心に大人たちと共に地域を回りました、途中休憩所「ヤド」は有志の家、 冷たい飲み物などで疲れを癒してくれ貴重な存在です。
祭り最後の見どころ、通りを掛け声でダッシュ、集会所へ戻るというクライマックスです。
梅雨が空ければことしも猛暑、神頼みもしたい昨今、祭りの心は今も変らないようです。
保存会はじめひとつの地域が、伝統を末永く繋ぐ、並々ならぬ“意気込みの姿”でした。

*白岡新田「天王様だより」を参考にしました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました