ハナミズキの魅力とその管理について

吉田 守彦

『ハナミズキ』

 遅咲きの桜が盛りを過ぎると、ピンクや赤、白の底抜けに陽気な花を咲かせ楽しませてくれるハナミズキの季節がやって来ます。

花から実、紅葉まで楽しみいっぱい

 ハナミズキは前年の7~8月花芽の準備に入り、秋には小さな宝珠の型をした小さな蕾が出来ます。
彼岸を過ぎると、蕾が膨らみ始め、4月下旬から5月上旬にかけ美しい花を咲かせます。実は秋分のころまだ色濃い枝の先々で赤く色づきます。
追いかけるように緑の葉が紫色を帯び紅葉が始まり、少し黒ずんだ葉から葉緑素が抜けていき、透き通るほど鮮明で見事な紅葉になります。

ハナミズキの花

 ハナミズキの花の構造はちょっと変わっています。
花弁(花びら)のように見えるのは総苞( がく) の部分で、本来は花を保護する役をするものです。
本当の花は4つの総苞片の中心に固まっている黄緑色の粒々で、小さくとも完全な花です。中心にある子房が実になります。

ハナミズキの管理

 肥料は落葉期に元肥として施します。落葉期に施さないときは花後に施します。 発酵牛ふん(または油かす)と骨粉を等量混合したものを、樹冠下1㎡ につき両手で一つかみの割りで施します。庭植えの場合はこの一回で十分です。
水やりは、乾燥しやすい場所、異常乾燥したときでなければ必要ありません。
 病虫害は特にうどんこ病にかかりやすく、アメリカシロヒトリがつきやすいので注意してください。
うどんこ病の症状は葉に白い粉をふりかけたようになる。防除は6月に殺菌剤(サプロール乳剤)を散布する。
アメリカシロヒトリの病状は葉を食害する。防除は6月~9月に殺虫剤(オルトラン水溶剤かアクテリック乳剤)を散布する。
剪定は広い庭ならのびるに任せて、自然樹形を楽しむのが一番ですが、一般には出来るだけ低く仕立てます。
太い枝を切ってもよく萌芽するので、芯を切って横枝を張らせるように仕立てます。

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