インドシナ半島巡り ~会員の広場から~
60歳定年後16年が経った今、振り返ってみますと67歳頃までは夫婦で欧州各国へツアー旅行、その後72歳頃までは欧米のほかオーストラリア、ハワイ、グアムなどリゾート地を個人旅行、71歳からは飛行負担の少ないインドシナ半島を友人とゆっくり楽しむ個人旅行など歳相応の旅を続けてきた。特に71歳からのベトナム、カンボジア、ラオス、ミヤンマー、タイを4年かけた旅行は印象深い思い出となりました。今後インドシナ半島を訪ねたい方に参考にして頂けたらと思い、書き留めてみましたのでお読み頂ければ幸いです。
1、ベトナム
サパは中国国境に近いインドシナ最高峰3143mの山麓にある街で民族衣装をまとった人々は素朴な生活でベトナムとは思えない雰囲気があった。早朝の街並みは靄で幻想的、最高峰の山頂には世界一長いケーブルカーで登るが遠方の山々や雲海は素晴しかった。
ベトナムの首都ハノイは緑が生い茂る街路樹や湖など自然に恵まれ由緒ある寺院や旧市内に残る古い建物など静かで落ち着いた雰囲気、自転車の多さに驚くが信号が無いため、その中を横断するには勇気がいった。ハイフォンは北部ではハノイに次ぐ都市で港町特有の活気にあふれ魚介類・野菜・花の市場など迫力満点の叔母さん達に感心しました。
ハロン湾はクルーズ巡り、静かな海面に大小2000近くの奇石がそびえ立ち幻想的な風景。
フエは中部に位置しベトナム最後の王朝の都が置かれた世界遺産に登録されている古都だがベトナム戦争時の激戦地でもあった。旧市内には王宮があり静かであるが新市街は繁華街と対照的である。王宮料理は食べるのがもったいないほど綺麗でお薦め。
ホイアンはベトナム戦争時、米軍基地のあったダナンから30kmに位置し小さな町、16~17世紀に日本人の町があったところで現在も「日本橋」があり、宿泊は川の中州にあるリゾートホテルが価格の割に素晴らしい。郊外には大理石で有名な五行山観光がお奨め。大理石の彫刻の品々は素晴らしく安価で購入可能。ベトナム最大の都市ホーチミン(旧称サイゴン)はハノイに比べ街は大きく綺麗であるが交通事情は同じくバイクが多く混雑しているが自動車の数はハノイに比べ圧倒的に多い。サイゴン川の夜のクレージングは多民族が多く踊りや音楽を聴きながらの飲食が楽しい。ホーチミンから70kmのミトーは小さな町だがメコン川を小舟で中州の島々を回り未開発地の文化に触れたのも楽しかった。
2 カンボジア
カンボジアの首都プノンペンは内戦後の影響などで、まだ復興中でエネルギーあふれる政治経済の中心地であるが見るべきところは少ない。郊外のポルポト政権時代の反抗分子の処刑場は衝撃的だった。シェムアップはアンコール遺跡の玄関口で道路も舗装が少なく小さな町だが夜のマーケット街は外人客が多く華やいだ雰囲気だった。
アンコールワット及びアンコールトムについては有名な世界的遺産なので詳細は省略するが、じっくり観光するなら3日は必要。
その他の観光地としてトンレサップ湖のクルーズ、東南アジア最大の湖で水上生活者や未開発な農村風景はなかなか見ることができない。
3、ラオス
首都ビエンチャンはアセアンの一角をなす重要拠点で国際会議でも注目されたばかりだが建設中のビルも多く道路に溢れる車とバイクの波は開発途上国そのもの。観光スポットはタートルアン(黄金の寺院)やパリの凱旋門に似たパトゥーサイなどのほか郊外にも名所はあるが交通手はトクトク(バイク+屋根付きリヤカー)を中心としたので限定的だった。
伝統織物の工場見学やマーケットモールなどの散策。北部のルアンパバーンは仏教寺院と仏植民地政府が残した建物が見事に調和し街全体が世界遺産、メイン通りは寺院や軽井沢の町並みに似た上品な店が連なり、日中はメイン道路だが夜になると数百の露店が立ち並ぶ夜市に変り、群がる人々の売買の駆け引きなどの見学も楽しい。ルアンパバーンは観光地として是非お奨めしたいところ。近郊にはメコン川をクルーズで25km遡った島のバークウー洞窟散策や象に乗って河原のトレッキングなど自然で素朴な観光を楽しめた。
4、ミヤンマーとタイ
ミヤンマーは日本の約1.8倍の国土で各地を巡るのは難しい。仏教の国だけに観光は寺院中心で、ヤンゴン、バゴー、バガン、マンダレーの4都市に限定して周遊。
首都ヤンゴンの見どころは、ミヤンマー最大の聖地シュエダゴォンバヤーで履歴もすごいが中央の仏塔は金箔を貼られた高さ100m基底部433mの壮大な黄金塔を中心に回廊を歩くが参道は4か所で出口も迷うほど。市内にはその他の寺院も多く、全長70mで優美な表情の寝仏も素晴らしい。「ビルマの竪琴」の舞台になったバゴーはヤンゴンから70kmにあり車で90分、ここにも壮大な金箔の寺院が数か所と寝仏がある。バガンはミヤンマー最大の見どころで、ヤンゴンから国内航空で75分のニャンウンウーへ。ここから車でむかうが途中は熱帯特有の風景で原始的なマーケットなども魅力。バガンは世界的にも貴重な仏教建築群が乾いた荒涼な平原に3000位点在しその中でも大きな寺院を中心に廻る。
あまりに多くの寺院や仏塔が原野に点在しているので名前は記憶にないが幻想的な光景が続いていた。最後は第二の大都市マンダレーへ、ニャンウンウーから国内航空で30分、市内は東西南北に走る道路に区切られ整然としていた、丘全体が寺院となったマンダレーヒルは壮大な金箔と鏡による装飾に圧倒される。白亜の小仏塔が林立するサンダムニバヤーの美しさも素晴らしい。日英の激戦で消滅した旧王宮は城壁だけ残ったが内部の建物は再建され規模の大きさに圧倒された、近郊には世界最長の木造橋や仏教修行の地ザガインなど見るべき所が多く日本兵の慰霊塔も2か所回った。
タイはミヤンマー旅行時にバンコクを起点にしたので、バンコク市内のみ2日間見学した。
地下鉄を利用し市内の名所をまわり、市内を流れるチャオプヤー川のクルーズでは川端の風景も眺めたが、途中下船して王宮と周辺を散策した。休日と重なり観光客の多さに圧倒された。タイも古都アユタヤーはじめ沢山の観光地があるが次回の楽しみとした。
その後もシンガポール、ニューヨーク、台湾と続いていますが、今後も元気なうちには
出かけたいと思っていますが・・・ (2020年3月15日現在)
栗原 征四郎
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