宮道踏切 ~神社専用の踏切~

 新白岡駅から白岡駅方向に歩いて30分ほどの線路沿いに、小さなお宮さんがある。お宮の名前は「鷲神社」という。同じ名前の神社が、岡泉にもあるが、こちらはもう少し大きくて7月にはお神楽もあり、町内ではよく知られている。これだけなら余り珍しくもないただの小さな神社だが、宇都宮線の線路際にあって神社に渡るための専用の踏切があるのである。

 踏切の幅は狭く約1mくらいだが、ちゃんと自動で開閉する遮断器もついており、幅が狭いだけで普通の遮断機と同じ機能を持っているようである。踏切を渡るとすぐに鳥居があり、その数メートル先には社殿がある。神社の敷地は目測だが約200坪くらいあり、かなりの数の樹々が植わっている。中でも神殿の左側にドーンを立っている直径1.5メートルもありそうな欅の古木があり、ご神木のような風格である。敷地は全体が台地になっていて、社殿の裏はかなり低くなって、そこに用水路が流れておりその先は篠津中学校の校庭と、荒れ地が広がっている。神社から先へは道路がなく行き止まりなので、また踏切を渡って戻らなければならない。踏切の手前には会社の建物や一般の家が立ち並んでいる普通の家並みになっている。

 私は水彩画の題材を探す目的のためにこのお宮を訪ねたのだが、かなり有名なところのようで後日ネットで調べたら、You Tubeなどでいくつか紹介の動画もあった。夜は少し気味の悪いこともあってか、「心霊場」としても紹介されている。歴史を見ると、最初の建造は室町時代にさかのぼるそうで、その後何回かにわたって建て替えられたのではないかと思われる。明治時代になって鉄道ができた時に社殿は移動せずに参道に踏切を作ったようである。しかし明治時代の終わりころに蒸気機関車から出た火の粉が飛んで社殿に移り神社が焼失したために、大正時代になってから再建したものが現在に残っているとのことである。

 コロナ自粛で退屈しているようでしたら、近い所なので、一度出かけてみてはいかが?

        (高薄克人)

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