古希に思うこと

 「今年は古希、きっと会おう!」と、高校時代の幹事の案内が届くと、
「会える時に会っておこう!」と、張り切るメールが旧友間を飛び交い、昔談義の長電話には、すでに同期会の真只中にいるような熱気がこもる。
その一方、「昔ばかりを振り返ってもねえ」、「わざわざ老いを認め合う場なんて真っ平だ」、と背を向ける声も聞こえてくる。懐古の場に終わらず、これからの長~い老いの時間のエネルギッシュな過ごし方も聞きたいものだ。
この地にも有志の肝いりで開かれる住人同士の集まりの場には事欠かない。そこでは、老醜や体力の衰えを今更隠す必要もなく、気心のしれた仲間の飾らない言葉を素直に受け止め、今、同じ時間を生きているつながりが実感できる。
顔を合わせて共に過ごす時間の魅力は、準備に走る人の心意気と、その日を楽しみに足を運ぶ人とのコラボレーションから生み出されるものと信じている。
(森田貴美子)

コメント

タイトルとURLをコピーしました