白岡ニュータウン

 1月18日、読売新聞に藤村龍至さんの記事が掲載されました。

 「白岡ニュータウンの特徴はゆっくり時間をかけて開発されたことにある。民間事業者によるニュータウンの開発は5年から10年で短期間のうちに終了してしまうことも多いが、ここでは30年以上の時間をかけ、小学校のキャパシティーなどをみて事業者が行政と協議しながら開発のスピードを調整してきたのだという。
その結果、定期的に新規の人口が流入するので住民の年齢層がほどよいバランスとなり、自治会などによる住民活動も維持されている。
 もう一つのユニークな特徴は、南北軸の区画道路である。通常は日照条件への配慮を理由に東西軸で道路を通すのが常識とされているところを、ここでは南北に通している。
日中行ってみると、街路に影が少なく街が明るいのに驚く。住宅の内部からみても東西から採光することができるため、外部から洗濯物が目立たず街並みが美しい。
南北軸のプランは旺盛な住民活動の背景になっているという見方もあるようだ。
東西軸だと南と北に面する住宅にそれぞれ二分され、販売価格に差が出るのに対して、南北軸だと販売価格が均質になるので収入が同じくらいの人が並び、コミュニティーにまとまりが生まれやすい。
 計画時に葬儀などの利用を想定して設置された集会所は人々が日常的に集まるコミュニティカフェのような交流拠点として盛んに使われている。ほどよい距離ごとに建っており、住宅スケールでふらっと入れるような小さな建物なのが良い。
 都市計画がコミュニティーを育み、コミュニティーが街の価値を高め、守っていることに感銘を受ける。
     (建築家 東洋大建築学科講師 藤村龍至)

1981年に始まった白岡ニュータウンの開発は現在建築中の「リフレの杜」でまもなく完結するようです。開発初期に入居された方々は高齢化し、世代交代や転居などが進んでいるようですが、「リフレの杜」では続々若い方々が入居され、子供たちも大勢います。
まさしく、30年以上にわたる開発によって、白岡ニュータウンは常に新しい血液を送り込んで活力を生み出してきました。
 もてはやされた新興住宅が30年もするとゴーストタウンに様変わり、ということにならないよう、私たちの努力によってこの街を美しく、賑やかに維持していきたいと思います。

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