宿題「箱」 佐藤美文選評
秀 賽銭はいつも五円と決めている つねお
秀 パンドラの箱開け放つ北の国 かつひと
秀 お役所の政策つねに箱もので うっちゃん
秀 絵の具箱汚れたままで放置され 瑞枝
秀 玉手箱家にないけど年はとる つねお
秀 戦中派机替わりにりんご箱 まさひこ
秀 重箱の隅を突っつく議論する かつひと
秀 箱庭の草とりいつも疲れ果て うっちゃん
秀 箱入りが鬼嫁に化け五十年 まさひこ
秀 箱詰めの引っ越し荷物夢も入れ 瑞枝
秀 ない時は小銭を借りる貯金箱 たけぞう
軸吟 来年へ朝顔の種箱に溜め 美文
席題「休み」 互選（句頭の数字は得点）
１ 休むのに気づかったこと懐かしい うっちゃん
１ ずる休み叔父を何人殺したか かつひと
１ 休みとれ成果は上げろ迷わされ かつひと
１ 終わったら休んでいいと言う上司 たけぞう
１ 宿題を忘れたときはずる休み つねお
１ 杖友に休みつ歩く老い仲間 よし子
２ 日日遊びその上休む脳天気 うっちゃん
２ 気がねなく休み取れても行き場なし つねお
２ 休診日待てなく薬買いに行く 瑞枝
２ 休日の方が疲れるお父さん たけぞう
４ お休みと言って五分で寝つく妻 まさひこ
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