長州紀行

 桜前線が北へ進み、新緑の芽が吹き始めた四月中旬に長州(山口県)を旅しました。
一泊目は、幕末から明治維新にかけての面影が今でも色濃く残る城下町「萩市」に宿泊。市内はいたるところに「夏ミカン」の木。聞くところによると、幕末のころ武士は夏ミカンの苗木2~3本が退職金代わりだったという。埼玉県は無し(梨?)実際は違うようだ。現在でも白壁に夏ミカンの木が勢いよく育っていて、人材と共に脈々と現在に受け継がれている。
二泊目は、プーチン大統領が来日し、安倍首相と日露首脳会談が開催された話題の名旅館、長門市の「大谷山荘」に宿泊。同山荘は諸外国の大統領・首相が宿泊可能な防弾ガラス付きVIPルームのある旅館で、一般人から宿泊料金等についての問い合わせが多く、表向きには一泊約30万円と回答しているとのことだが、普段は開放せずにVIP宿泊専用に部屋の維持管理に努めているという。私が宿泊した部屋は、テニスボールが窓に直撃した場合には割れる、安価な部屋だった。
西軍についた毛利氏が関が原の役に敗れた長州藩。長州藩は江戸時代末期の二度にわたる長州征伐にも屈せず、語学力を駆使して諸外国との交渉にあたり富国に尽力した伊藤博文、強兵に貢献した山県有朋、などなど、今日の日本の礎を築いた人物を多数輩出。安倍晋三を含め八人の総理大臣を送り出している。
背景には、あの関が原から幕末まで冷遇された反骨魂が倒幕運動に発展し、明治維新へとつながっていった気がする。一方、我が埼玉県からは総理大臣はいまだに「ゼロ」だ。あっぱれ「山口県」、喝・活「埼玉県」。来年は明治維新から百五十年にあたり、各種イベントが予定されている模様。再訪したい心境でいる。
     櫻井理男

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